よんだ

「『こころ』大人になれなかった先生」石原千秋
さくっと読めた。私にはこういう細かいところをしっかりチェックして矛盾や隠された意味を探っていく読み方はできないので、代わりにやってくれる人がいると助かります。で、ものすごい謎が解き明かされるかというとまあそうではなかったです(実は女でしたー、実はわんこでしたー、実は殺人でしたー、実はもう死んでましたー、実は宇宙人でしたー、夢オチですーとか?一体何を求めているのか)。そんなに驚きもなく。
題材が昔の本だから、というのもあるのかなあ。今だったら出してすぐに作者がインタビュー立て続けに受けて、読んだ人もすぐに Blog に感想アップ、掲示板で謎解きみたいな流れになって、すぐに色々解かれてかつそれにきちんと証拠があるという状態になるんだろうけど、それに比べると色々と情報が少ない分想像の余地が入り込む隙間があるというか、肝心なところは想像で補ってて「え?そう?」と思うところがあるというか。
でも漱石に関してはイギリスに下宿してたときの資料を取り寄せて研究したりということもされているようなので、資料だけは異常にあるような気も。
軽く読むにはいいんですが、値段が結構します。1,300円。