NEU! "NEU!"

ジャーマンプロ、あれ、なんか石が飛んできてる気が。NEU! の一枚目です。初期 KRAFTWERK に参加していたクラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターによるユニットですな。オリジナルは72年発売、紆余曲折があったようで CD はリマスターされて洋盤が2000年に発売、それを P-VINE が日本盤にしたものが2002年発売。日本盤は BUFFALO DAUGHTER の対談と、野田努さんによる解説が付いております。「あいつら所詮インテリだから」と言って KRAFTWERK を辞めたとか(「キックの音一つ決めるのに四年もかかるんじゃやってられない」と言って辞めたのは別の人でしょうか)、ハンマービートがどうとかいう話ばかり聞いていたので一体どんなむちゃくちゃな音が、と半分期待半分不安で聴いたんですが、これはジャンルだとかどうでもよくなるようないいアルバムではないですか。
勝手に音の異常性や革新性を想像していたんですが(奇声だとか、ノイズだとか)、音響系から余計な歌を抜いた最小の音で構成された極まっとう(つまらなくないという意味で)なインストものといったところで、特徴と言われている反復ビートもさほど強迫的ではなくとても聴きやすくなっております。
代表曲と言われる "Hallogallo" 、ゆるい曲が続いたところで道路工事のノイズ(これもしつこくなくていい)で開始される "Negativland" など軽めのドラムにエコーの効いたギターが乗る長尺の曲が気持ちいいです。
今となってはこっちの方がインテリっぽく聴こえるという気も。ゆるい電子音ものが好きな人にも勧められます。
なんで最近こんなんばっか買ってんだろ。